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第033回 「ワイルドバンチ」サム・ペキンパー
 年度ごとのベストテンはもちろん、「オールタイムベストテン」だの「心に残る一本」だの「生涯のベストワン」だの、映画評論家という職業には、やたらとこういうアンケートがつきものだ。大体、最低でも1年に4〜5回は、そうした依頼があるので、こちらとしても、ある程度マニュアル化していて、正直に言えば、50〜100本位の映画の題名は即座に挙げられる。そのくらいの引き出しがなければ、映画評論家というショーバイは成立しない。最新の例でいえば、キネマ旬報社が創刊90周年記念に出版したムック「映画遺産」で、その「外国映画篇」の小生の回答は「街の灯」「ヒズ・ガール・フライデー」「偉大なるアンバーソン家の人々」「エル」「気狂いピエロ」「砂漠の流れ者」「ミツバツのささやき」「最前線物語」「隣の女」「ミリオンダラー・ベイビー」の10本だ。ところが、このアンケートの回答者121名のトータル第5位にペキンパーの「ワイルドバンチ」がランクインしていた。そうか、「ワイルドバンチ」か、その手があったか。ペキンパーならば「砂漠の流れ者」を入れているからいいという問題ではない。今から約40年前の冬、まだ中学生だった。映画ばかり見ていて親に叱られ、家出して、新宿のオールナイト上映館で一晩中「ワイルドバンチ」を見ていた。ペキンパーの名前も知らず、自分が映画評論家になるとは夢にも思わなかったが、あのクライマックスの死闘には我を忘れて見入っていた。とりあえず「思い出」なんぞクソクラエだ。そろそろ本気で世間と向かいあうには、あの頃も今も「ワイルドバンチ」しかないと思ったりしています。
(映画評論家 野村 正昭)





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