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第029回 「赤い風船」アルベール・ラモリス
 1977年から視聴覚教育関係のボランティア活動を続けるこの会に在籍して4半世紀。この間、千回を越える16ミリ映画会に参加し、延べ数で数千本の映画を映写して楽しんでいる。この活動を通して心に残る一本が、詩情豊かな「赤い風船」である。
入会間もない1983年頃、地域の夏休み子供映画会だったと思う。小学校の体育館に集まった大勢の子どもたちが夜風に吹かれながら楽しんでいた。最後にこの作品が上映され、映像とともに音楽が流れた。
主人公の少年が通学途中、街灯につながれた赤い風船を見つけ、家に持ち帰る。お母さんが窓から風船を解き放つ・・・。
映像と音楽が流れるのにセリフがない。そのうちに子どもたちがざわめきだした。私たちは初めての上映作品で、ただおろおろ画面を見つめるしかなかった。しかし、暫らくするとシーンと静まり返ったのである。少年は生き物のような赤い風船と仲良しになり、戯れる。それを妬むいたずらっ子たちが風船を追いかけ、石をぶつける。命中し、しぼんでしまう。その時、たくさんの風船が何処からともなく少年の周りに集まり、少年とともに大空に舞い上がる。この最後のシーンで大きな歓声が起こり、ほとんどセリフのないこの映画は終ったのである。
その後、この作品を積極的に映画会に活用したことは言うまでもない。 この16ミリフィルムが使用不能になっている今、この作品がデジタルリマスターされて映画館で上映されていると聞き、また、子どもたちと観ることができればと願っている。
(16ミリ試写室(横須賀市)会長 松澤 澄江)





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