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第024回 「静岡 シネ・ギャラリー」副支配人 海野農さん
城下町に灯る名画の光
 富士山を望むことのできる政令指定都市、静岡市。戦国時代には今川氏のお膝元として栄え、江戸時代に入ると初代将軍、徳川家康が大御所としてその居城としたこの城下町は、大都市でありながら、その温暖な気候とあいまって落ち着いた雰囲気を感じることができます。この町に、新しいけれども古いたたずまいを感じさせる映画館があります。その劇場は、静岡シネ・ギャラリー。今回は、劇場の責任者である副支配人の海野農さん(27)にお話をお伺いしました。
「DVDのパッケージに惹かれて」
 北海道生まれの海野さんは大学進学で関西に。その頃、ふと立ち寄ったCD販売店で一本のDVDBOXのパッケージが目に入ります。一目ぼれしたように、その絵に釘付けになった海野さんは、迷わず DVDBOXを購入しました。それはスペインの巨匠、ヴィクトル・エルセのBOXでした。
帰ってその作品(「ミツバチのささやき」「エル・スール」)を観て、さらに衝撃を受けます。今まで見ていた、大作や、メジャーの作品にはない魅力がその作品にはありました。やがて関西のミニシアターにも足繁く通うようになったとのこと。その後家の事情で、静岡に移り住んだ海野さんが出会ったのが静岡シネ・ギャラリーでした。
「文化の発信」
 静岡シネ・ギャラリーの経営母体は、宝泰寺(藤原東演住職)。地域への貢献活動の一環として、お寺の敷地に設けられたホールが、静岡シネ・ギャラリーの前身でした。コンサートや演劇など各種文化公演とともに、年に何度か名画上映会も行われ、その上映会が発展して常設の静岡シネ・ギャラリーとなったのが平成15年12月。静岡県内にはアート系の映画を上映するミニシアターは無く、地域の映画ファンから歓迎されたとのこと。当時、静岡市内の叔父のもとにいた海野さんは、ちょうど仕事を探しており、この劇場のモギリ(改札係)に応募し、見事採用に。それは開館してすぐの平成16年2月のことでした。
 当初アルバイトとして働き始めた海野さんでしたが、上司の退職が相次ぎ、映写係、映写チーフ、そして副支配人と責任ある立場へとステップアップしていきます。劇場責任者として、お客様への対応や配給会社、代理店との折衝、そして映写業務とあわただしい毎日の海野さん。
「今日は映画記念日」
映画興行の世界は比較的、不況の影響を受けないと言われていますが、今、単館系ミニシアターを取り巻く状況は厳しいとのこと。最近では、シネコンでも単館系作品が公開されることもあり、そのような状況の中、単館系劇場の存在意義として、海野さんは次のように話してくれました。「劇場で映画を観ることは、家でDVDを観ることとは違う。映画を観に行くこと自体が、その人にとって記念日ではないかと思います。その人たちに世界のより良い作品を提供していくのが、当劇場の使命だと思っています」。
海野さんは静岡で公開していない数々の名作を企画上映という形で上映しているそうです。
地域映画ファンに支持されながら、文化発信としての劇場の活躍は今日も続いています。
(取材:四葉昌)
【静岡 シネ・ギャラリー:http://sarnath.co.jp/eiga/etop.html
TEL.054-250-0283





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